熊野に住んでいると、林業の事を意識することがあります。
熊野は平地の少ないところで、農業は梅とミカン。つまり農業も木なんです。
平地が少ないと農業は厳しいですね。
農業について話をしてしまうと脱線してしまうので、林業です。
最初、移住するときに市役所の担当者は林業の部門の方でした。
これは移住先はほとんど「緑の雇用」で移住する人だったからだと思います。
緑の雇用は林業をする上で収入につながる様々な資格を取得しながら林業の仕事を続けられるようにサポートしていく制度なんですね。
そこから見えてくる問題として、やはり林業ってどうやら事故が多いんですよね。労働災害が多いのが問題で、私が移住して近所の集落のリーダーが、林業の事故で不慮の死を遂げたのを見たのがショックでした。
きつい、危険、汚い。まさに3Kの職場という事です。
ここから政府はしっかり安全対策をとって研修させる3K払拭の対策としての緑の雇用だと思います。
林業の複雑な所は、施業しているところが斜面で治水事業を兼ねているところです。
山を安全に管理してもらって、伐採した後もしっかり植林してくれないと山が崩れてしまいます。
つまりただ木を切って収益を得ているわけではないという事です。
政府の思惑が事業に大きく影響するんです。悪く言えば補助金漬けです。
その結果、森林組合の取る方策は、徹底したコストカット、効率主義でリスクを背負わない経営をします。まるで公務員みたいです。
何が悪いの?って思うのかもしれません。けど、その結果、中国をはじめとした外国の資材に価格で、負けてしまい、どんどん競争力を失っていくのではないかと思うのです。
私が若い頃は、森林破壊による環境問題が叫ばれていました。
環境を考えない乱暴な開発と前時代的な焼き畑農業などで、世界の森林は破壊され、酸素が作られなくなり、温暖化に影響を与えていると。
現在、森林面積は中国で急激に増えているそうです。全世界的には減少傾向ですが、これからますます中国の木材はシェアを増やしていくと思います。
こういう世界的な目線で考えた場合、斜面で林業をしている日本はやはり不利です。
斜面だと曲がりやすいし、伐採コストも高いです。斜面だから労働災害が多いのだと思います。
日本も外国の木材のコストパフォーマンスに負けないように林業にグラップラーのような設備投資ができる環境を整えるため、大規模化を推進しているのだと思います。
しかし私の意見は逆です。
日本の林業は中国のような大量生産の大規模投資にそのまま物量勝負で戦っても勝てません。
日本の高い技術と多様な生産自然環境を利用して、高付加価値の木材を生産することが重要だと思います。
例えば楽器やインテリアなど、加工しだいで高付加価値が生まれる木材の生産を多方面で研究開発しイノベーションを興すことが日本の林業再生の目指す道だと思います。
その中で、林業のすそ野をもう一度拡げる事も大事だと思います。キノコ類などの特用林産物をバイオテックで金の卵にできないか、木材の加工中に出るチップをバイオマス発電に利用する。
(現状はバイオマス発電の発電所を作って海外から木材チップを輸入しています)
日本食ブームの中、備長炭を海外に輸出できないか。日本の木材技術を総結集して最高の楽器を作ることはできないか。バイオリンなら数億円の価値創造になります。
(そのための芸術の聖地熊野というプロモーションでもあります)
最近、京都大学が人工衛星を木材で作ることを試作していて、今度の串本のロケットで試作機を飛ばす実験だが、宇宙ステーションを日本の木材で作ることはできないか。
その他、スポーツや茶道などの専門道具、観光列車の内装など、こだわりの木材の用途は広いです。こうした要望を産学官連携で問題解決とイノベーションを興したら若者も林業のやりがいと未来を見出すと思います。ていうか若者が自分でこういう未来を描き出して夢を持って林業に取組んで欲しいです。
以上、非常に勝手な意見でした。
