②田辺市熊野ツーリズムビューローによるプロモーション

熊野古道が外国人観光客に人気。という話は聞いたことがあるでしょうか?

 

熊野古道中辺路をプロモーションする田辺市熊野ツーリズムビューローは、2009年に設立後、コロナ前の2019年には年間のべ5万人の宿泊客を誘致しています。たった10年で5万人泊というのはすごい数字です。その約8割は外国人観光客で、日本でも最も先駆的なDMOになりました。

 

では、「熊野古道が外国人であふれかえっている」のは本当でしょうか?

これは大きく差異があると言っていいと思います。

 

「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産である熊野古道。

世界遺産ですが、世界遺産になっている所全てが外国人の観光客が来ているわけではありません。

 

正確なデータはありませんが、熊野古道の中でも滝尻王子から本宮大社がメインのスポットであり、その次に本宮大社から那智大社、そして速玉大社周辺は多いですが、その他はあまり外国人の姿を見ることはありません。

 

これは偏に田辺市熊野ツーリズムビューローによるところが大きいです。

 

ではどんなプロモーションだったのかというと、

「外国人が巡礼するための障壁を一つ一つ丁寧に取り払っていった」

という事に尽きると思います。

 

これはプロモーション部長であるブラッド氏の力が大きいです。

ブラッド氏は外国人目線で熊野古道を歩くための下地作りをしました。

 

①外国人目線でガイドブックを作る。

これは実際歩いてみないとわからないのですが、海外でハイキングを楽しむ人たちが使っているガイドを参考にしたのかと思います。歩く上で必要なもの(道中の高低差をグラフで表したもの、道標の場所、王子など道中の観光スポット自動販売機など給水ポイント、休憩ポイント、買い物できるところ、ATM、バス停など)を網羅したガイドブックを作成。

 

②熊野古道の歴史や文化を英語で紹介

 

③熊野古道を歩く上で必要な旅行手配先をまとめた着地型旅行代理店(DMO)を設立

 

④熊野古道上の標識、サインをすべて英語併記。そして温泉などの施設名称をわかりやすく統一

(それまでは温泉ならhot spa , hot spring ,onsen ,nature buthなど統一された表記がなく、外国人を混乱させていた)

 

⑤地元の民宿や飲食店、お土産物店など外国人受け入れワークショップを実施

 

⑥欧米豪のハイキングを専門にした旅行代理店と提携し、熊野古道巡礼パッケージを販売。

 

⑦世界遺産「サンティアゴ・デ・コンポステラへの巡礼路」との共通巡礼証明

「二つの道の巡礼達成者」発行

 

などが挙げられます。